『ありえない家』と『サツキとメイの家』
とにかくいろいろと聞いてみようと、何人かの建築家さんに会ってみた。
あまり予算もないので、ローコストの工夫をしていただけそうなところにあたってみる。誰もかしこも、とうちゃんに向かって話しかけている。普通、家の建築について思索を巡らしているのは、夫婦がいれば、まず夫の方なんだろう。妻の方は、キッチンとか内装とかにだけちょっと口を出して、「あとはおまかせネ」みたいなんだろう。でも、その、とうちゃんが持って説明している、その、要望リストもアイデア出しも図面も資料も、ぜんぶかあちゃんが考えてぜんぶかあちゃんが書いてぜんぶかあちゃんが選んだものだ。もちろん建築家さんを選んでいるのも。ぜんぶ。ぜんぶ。ぜんぶ。
でも、かあちゃんは、子どもたちを構っていなければならないので、建築家さんに時間をとってもらっても、説明を聞いたりイメージを伝えたり会話したりすることがほとんどできない。建築家さんがあれこれ説明してるのは、「安藤忠雄って誰?」みたいなとうちゃんにだけだ。それじゃ話が進むわけない。かあちゃんが「『渡辺篤史の建もの探訪』見よう」となんど言ったって、一度もまともに見たことないし、建築関係の本だって作品集みたいのはまったく見やしない。「欠陥住宅に気をつけよう」とかいう系の本をちろちろ読むだけだ。そんなんで建てられるのか。
ようやく、先日の勉強会から帰ってきて、少しまともなことを言うようになった。
かあちゃんが読めといった本も半分ぐらいは読んだらしい。
ありえない家 トーキョー狭小住宅物語
かあちゃんは、建築家さんまかせにはできないのだということにおおいに気がつく。予算や日程に余裕があれば、「おまかせ」にするのかもしれないけれど、とにかく伝えなければ、とにかく考えなければ、話は早く進まないし、よってコストも抑えられない。図面をいっぱい書く。建材を調べる。事例を探す。出産や育児で初期化されまくっている脳みそで、忘れていた専門用語がぽつぽつと蘇る。建築基準法、大昔学校で習ったけれど、インテリアや間取りに必要ないろいろな数字も昔は頭に入っていたけれど、あぁ、時が流れ過ぎている。育児なことにしか頭を使っていなさすぎる。そして育児中で時間もない。でも考えなければ。
考えていると、狭小住宅というのは、ハマルものだという感触。選び抜く。そぎ落とす。きっちりと詰める。ものすごく問われる。
でも、思うに、「狭小住宅」というよりも、「ちいさなおうち」をつくりたいのではないかという気がする。きっと、それって、こんな家なのか。でも、これを現代に置き換えると、いったいどんな家にすればいいのか。
サツキとメイの家 | EXPO 2005 AICHI,JAPAN
YOMIURI ON-LINE サツキとメイの家建築中
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コメント[4]
建築オタクの妻に洗脳されたウチの亭主は、建物探訪見て「今日のはダメだ」とか、今では批評するほどです。我が家やも漠然と住宅検討中。東京町屋さんとか、匠の会とか、とても参考になりました。これからもいろんな情報期待してます。
Posted by りぼん at 2005年5月25日 11:33 | 返信
そうですね、家づくりの主役は・・・でもやっぱりご夫婦ですよね。「お父さんはかっこ付けたがるばかりで、ちっとも協力的じゃなくて・・・」とは、よく耳にする話。
「建築か任せ・工務店任せにせずに、がんばらなくちゃ!」もよく耳にする話。
ちょっと整理して考えましょう。
ライフスタイル・持ち物・新しい家の夢・家族が大切にしたいこと・お金の調達等々は、住まい手が考えること。
現地の読み込み・インタビュー・条件の整理・空間構成等々は建築家が考えること。
施工方法・職人の手配段取り・アフターメンテナンス等々はつくり手が考えること。
それぞれを責任もって遂行できる能力を持った方と組むことが、良い家づくりの必要条件。
そんなことを任せられるメンバーを選ぶことが、住まい手の大きな仕事。
それぞれがリンクして、各自の責任を全うしないと、良い家にはなりません。
「建築家が、自分の主張ばかりで、住まい手のことに関心がない」「工務店が、間違えだらけで、欠陥住宅になっちゃうんじゃないか」「住まい手が言うことをコロコロ変えるので、バラバラな家になった」こんな疑心暗鬼な関係では、いい家ができるはずがありません。
Posted by 東京町家 at 2005年5月25日 11:35 | 返信
りぼんさん、ありがとうございます。
いや情報と言いますか、「育児な家」は、もう 実録 ですね。まぁ他の投稿も実録と言えば実録なんですが…。でも、そう言っていただくと大変うれしいです。
Posted by jun at 2005年5月25日 23:35 | 返信
東京町家さん、ありがとうございます。
そうですね。おっしゃられるとおりですね。
建築家さんにしても工務店さんにしても建築プロデューサーさんにしても、「この人を信頼して、すべてを託せるのか」とまずは思います。でも信頼を寄せられるかどうかは、やはり何度か会ってあるていど話をしてみないとわからない部分は大きいです。ところが、子どもたちを構いながらでは、まったくお話ができないので、家への思いも生活スタイルもなにも伝えることができません。託せるかどうかよりもずっと以前のところで悪戦苦闘なわけです。コミュニケーション以前ですね。
メールで伝えることもできますが、やはり顔を合わせていろいろと話をしないとわからないところは大きいです。
そういうところで、子どもへの配慮をいただける方だと、それだけで信頼に値する方だと思えたりします。子どもがいるから家をつくろうと思うのに、子どもがいるから話ができないので進まない。ジレンマですね。
Posted by jun at 2005年5月25日 23:50 | 返信
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